韓国カルチャー解析

これまでにない角度で韓国カルチャーを解析

千葉ロッテマリーンズの選手応援歌には韓国曲が使われていた~福浦和也・里崎智也・〇〇ヒット・タオル回し

日本のプロ野球の選手別の応援歌のなかで、韓国の曲が使われているものがある。それは韓国にもプロ野球球団をもつ「ロッテ」の応援歌だ。それは2019年現在ではなく、過去の応援歌。

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筆者も当初は韓国の曲だと知らずに聞き流していたが、韓国で暮らした経験があり、そのなかでメロディを耳にした時、「どこかで聞いたことがある!」「ロッテの応援歌でだ」と思ったのである。

●原曲のある応援歌が多い千葉ロッテマリーンズ
さて千葉ロッテマリーンズの応援歌は、オリジナルではなく原作がある応援歌が多い(私がファンの埼玉西武はかなり少ないのだが…)。

90年代前半はアニソンや海外の童謡もあったし、90年代終盤にはサッカースタイルの応援スタイルを取り入れ、それがカッコよかったことから、応援を目当てにロッテファンになる人もいたぐらいだ。


さて韓国曲が原曲になっている歌を見ていこう。


●ヒット曲
まずはロッテの歴代、ヒットコールである。選手個別の応援歌に入る前に「〇〇ヒット」とコールするときに演奏されるメロディーだ。


最初に流れるのが「諸積ヒット」。これはゲーム音楽らしいので飛ばそう。その次に流れる曲「主に3文字名選手専用〇〇ヒット」である。この曲こそが韓国楽曲である。

歌手・南珍(남진、ナムジン)が歌った1972年の曲、"님과 함께(ニムグァハムケ)"。日本語に直すと「あなたと一緒に」という意味である。韓国ではだれもが知る名曲である。

映画『国際市場で逢いましょう』ではユノが南珍に扮して、ベトナム戦争の場面で登場し、この歌を口ずさんだ。
 

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●福浦ヒットコール
そしてその次の次の曲「福浦専用〇〇ヒット」である。「福浦ヒット!」。これは韓国の斗山ベアーズの応援でも使われている曲である。韓国語ではヒットのことを安打(안타、アンタ)というから、「アンタ!」というコールが聞こえてくる。

そのヒットマーチはこれである。

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韓国の球場でも流れるので、思わず「福浦ヒット」と言いたくなってしまった。


福浦和也選手の旧応援歌「ヘビョヌロガヨ」
さて、その福浦和也選手は2018年に2000本安打を達成。43歳となる2019年も選手兼任コーチとして現役続行。30歳を超えた筆者が小学生だったころから活躍している選手だから驚く。

福浦選手の応援歌は、韓国の有名な曲をあてたもの。下の動画で「福浦ヒット」のコールの後に流れる曲がそれ。これは1970年の「해변으로 가요(ヘビョヌロガヨ)」。日本語に直すと「海辺へ行こう」というタイトル。

 

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「俺らは叫ぶ~打て福浦~♪」といいながらジャンプ!原曲も夏をイメージする曲だけに明るい曲調ではあるのだが、70年代という時代だけあって雰囲気が異なったもので、球場でトランペットの音を聞くと、より元気が出る。
 

里崎智也選手の応援歌
そして里崎智也選手の応援歌。里崎選手の応援歌の原曲は、3人組音楽グループ、コヨーテの「マンナム(만남)」という曲である。日本語に直すと「出会い」。

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●タオル回しのテーマは「コヨーテの純情」

コヨーテの曲はタオル回しのテーマでも使われていた。コヨーテのヒット曲「純情(スンジョン)」という曲がこれ。のちにDJ OZMAがカバーしたことも知られている。「ウォーウォーウォ ウォーウォーウォ」。タオル回し応援はロッテが始めたものだったが、巨人もタオル応援を行うなどほかの球団にも広がった。

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参考資料:http://takatsume.sakura.ne.jp/cgi-local/ouenka.cgi?team=lotte

イ・スンヨプ(이승엽)選手の応援歌

イ・スンヨプ選手の応援では、韓国語を取り入れたことも評価すべき点である。外国人選手に外国語で応援するというのはあまり多くなかったが、ロッテの応援団はそれを実践した。

韓国語で「かっ飛ばせ」は、"날려버려(ナルリョボリョ)"である。単語に分けて解析してみると、「飛ばす」という意味の'날리다(ナルリダ)'+'버리다(~してしまう)'の命令形で「飛ばしてしまえ」というのが直訳。

 

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打席に立つイ・スンヨプ選手には、当初、’나를 버려(ナルルボリョ)に聞こえたそうだ。これは'나(私)+를(を)+버리다(捨てる)'の命令形で、つまり「自殺しろ」「自分を殺せ」という意味になってしまうのだ。その後発音が矯正され、正しい応援になったという。


●先進的なスタイルでプロ野球の応援を先導
千葉ロッテマリーンズの応援は、アニメソングや外国語の曲も積極的に取り入れ、サッカースタイルの応援も導入するなど、プロ野球のなかでは先進的なスタイルで応援団がファンを取り込んできたのではないかと思えるほどだ。


「かっ飛ばせ」というよりも、その国の言葉で応援したほうがダイレクトに伝わりやすいし、そういった点はとても評価したい。